【バリアフリー商品開発支援 〜ビール編〜】
記事の概要
・ビールの飲み方をバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会におけるビールの飲み方について考察します。
今回のテーマはビールです。
このブログを書いているのは5月です。これから暑くなりビールの美味しい季節になります。ビアジョッキに豪快に注がれたビールをグビグビと飲む。最高です。
でも、バリアフリー目線で見た場合、このビアジョッキには1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?
答えは「嚥下障害の人が飲むとむせてしまう」です。
嚥下障害という言葉をご存知でしょうか?
飲み込みに問題があり、飲んだり食べたりすると、すぐにむせてしまう障害で、加齢により嚥下障害になった人は多くいます。
なので、ビールが好きな人がこの障害を抱えると辛いのです。ビールはグビグビ・ゴクゴク飲むのが醍醐味だからです。
でも、ビール好きの人はこんなことには負けません。
こんな風にビールにストローをさして飲んでいます↓
「オレはビールが好きなんだ!」という叫び声が聞こえてきそうな写真です。
しかし、問題はストローを使っただけでは解決しません。
このストローには1つ問題があるのです。ここでもう一つクイズ。このストローのどこに問題があるのでしょう?
答えは「ビールに適したストローがない」です。
ストローが太すぎると大量のビールが流れ込み、むせてしまう。一方、細すぎるとビールの味がしない。ビールを飲んだ気がしない。ビールをストローで飲むって、結構難しい問題なのです。
【バリアフリー目線の商品開発ヒント】
そこで、「ビール専用のストロー」の開発という着眼点が生まれます。
太すぎず細すぎない。そんなビールを飲むのに最適なストローを開発し、「ビール専用ストロー」と銘打って販売する。普通のストローは1個1円にも満たない商品ですが、これなら1個数百円で売っても需要はあります。ビール好きの高齢者は沢山いますから。非常に利益率の高い商品になります。
「高齢者向けの専用品を作る」…バリアフリー市場 ・高齢者ビジネス では必要な着眼点です。
なお、同趣旨のブログ記事【バリアフリー商品開発 〜折りたたみベッド編〜】もご覧下さい。
バリアフリー目線のブルーオーシャン戦略
ビール用のストロー。まだ見たことのない商品です。
「ビール用ストロー 〜ビールを美味しく飲むことが出来る特殊構造を採用〜」などとアピールすれば、高齢者業界で圧倒的なシェアを狙えます。
しかも、高齢者ビジネスの需要は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。
バリアフリー目線の大切さ
ビールをストローで飲むまでは、何とか想像がつきます。しかし、「ストローの太さが適切でないと美味しくない」と嚥下障害の人に聞いてびっくりしました。障害者が持つバリアフリー目線は、意外な着眼点、誰も気づかない意外なことを教えてくれます。そして、それが新商品開発のヒントになるのです。
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