【バリアフリーホスピタリティ 〜トイレ編〜】
記事の概要
・最近のお洒落なトイレをバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから高齢者や障害者をゲストにお迎えする際の注意点が分かってくる。
・トイレは非常にナイーブな場所なので、高齢者や障害者に恥をかかせてはいけない。
・超高齢化社会において必要なトイレのあり方を検討します。
今回のテーマはトイレです。
「超」高齢化社会を迎え、あなたの会社やお店にも高齢の方が来社されることも多くなると思います。そんな方の為にスロープを設置したり、バリアフリートイレを作ったり、バリアフリーに配慮した様々な会社作りをしているかもしれません。
でも、トイレの標識にこんな標識を使っていませんか?
このトイレの標識をバリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。さて、その困り事とは何でしょうか?
答えは「標識がお洒落すぎて、高齢者や知的障害の人には分かりにくい」です。
もちろん、高齢者や知的障害の人でも分かる人はいます。でも、この標識を見て迷う人も多くいます。
上の写真であれば何とか分かるかもしれませんが、標識の中には下の写真のように非常に難解な標識もあります。
バリアフリーホスピタリティ
お洒落なことは良いことですが、トイレは人間にとって極めてナイーブな場所です。間違って異性のトイレに入ってしまっては大変。大切なゲストに恥をかかせてしまいます。
そこで、ここは確実なものを使いましょう。例えば、こんな極めて一般的な標識を使いましょう。
健常者であっても迷う標識は困ります。このように極めて一般的な標識を使えば誰もが迷うことはありません。お洒落にしてよい所と、お洒落を切り捨てて分かりやすべきところを再確認しましょう。
障害児療育の現場から
健常児の場合、「このマークが男性用トイレだよ」「このマークが女性用トイレだよ」と数回教えれば、男女のトイレの違いを区別できます。でも、知的障害児の場合はそうは行きません。何十回、何百回、場合によっては何千回と教えてやっと区別を覚えます(最終的に区別できない子もいます)。
なので、トイレによってマークが異なってしまうともうお手上げです。区別ができず、男性障害者が女性用トイレに入ってしまうこともあります。
トイレのマークは日本全国で共通であることが望ましいのです。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
トイレのマークは日本全国で共通であることが望ましい。そうであるなら、一歩先を読んで「一般的なトレイのマークを表した小さなシール」を作成するという手があります。
トレイのマークが共通化された際、お洒落なマークを使っている施設は困ります。そこで、お洒落なマークの側に貼ることができる「一般的なトレイのマークを表した小さなシール」を販売すれば、相当な需要があると思います。
例えば、こんな感じのシール↓ お洒落なマークの側に貼ります。
「マークや形を共通化する」…シニアマーケット ・高齢者ビジネス では必要な着眼点です。
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