【バリアフリー商品開発支援 〜ジャージ編〜】
記事の概要
・市販のジャージをバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会において必要となるジャージのアイデアについて考察します。
今回のテーマはジャージです。
男性の高齢者は家で過ごすことが多く、写真のようなジャージを普段から身につけている人は多くいます。
でもこの「ジャージ」をバリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。さて、その困り事とは何でしょう?
答えは「社会の窓(ズボン前のファスナー)がない」です。
ジャージは腰回りにゴムを使用しているので、男性がオシッコをする際はズボン前(前だけ)をズリ下げて行います。
しかし、前だけを下げることができればいいのですが、手先に自由がきかない高齢者の場合、後ろもズリ下げてしまい、お尻が丸見えになってしまいます。
高齢者の身だしなみは大事です。
「もう年だから」と諦めていては、更に老け込んでしまいますし、何よりみっともないです。
バリアフリー目線の商品開発のヒント
そこで、社会の窓が付いたジャージが必要になります。
もう既に一部で販売されていますが、その量は圧倒的に少ないで、まだまだ需要はあります。特に、手先が不自由な高齢者はファスナーの上げ下げが苦手なので、上げ下げしやすい工夫がなされた「持ち手が大きめのファスナー」等が必要で、これはまだ販売されていません。シニア市場では高齢者向けのジャージが必要とされています。
高齢者向けの専用品を作る…バリアフリー市場・高齢者ビジネスで必要とされる着眼点です。
バリアフリー目線の大切さ
そう言えば、何故ジャージには社会の窓が付いていないのでしょうね?私も若い頃は頻繁にジャージを着用していましたが、そんなこと気にしたこともありませんでした。
「言われてみれば当然だけど、言われないと分からない。」そんな貴重なことを教えてくれる。それがバリアフリー目線の魅力です。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
ジャージは巷に溢れています。他社商品との差別化を図るのは大変です。
でも、「高齢者用ジャージ 〜前にファスナーが付いているのでトイレが簡単〜」などとアピールすれば、簡単に差別化できます。
しかも、高齢者ビジネスの需要は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。
障害児療育の現場から
知的障害の子たちがバスで遠足に行ったときのこと。サービスエリアでトイレ休憩。子供たちは一斉にトイレでオシッコをしました。ところが、子供たちは揃ってジャージをズリ下げ、お尻がズラリとならぶ光景を引率の先生が発見し、「これはマズいなぁ」と感じたそうです。ここでも社会の窓がついたジャージが必要とされています。
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