【バリアフリー商品開発 〜外履き靴編〜】
記事の概要
・市販の外履き靴をバリアフリー目線で見直すと、意外な困り事が浮かび上がる。
・その困り事とは何か? それを解決するアイデアとは?
・そのようなアイデアの積み重ねが、ブルーオーシャン戦略成功の鍵になる。
今日のテーマは「外履き靴」です。
高齢者のデイサービスには多くの高齢者が集まります。介護ヘルパーは、そんな高齢者の送迎を行います。
朝、介護ヘルパーが送迎車で迎えに行くと、皆さん元気よく玄関から出てきてくれます。まだ寝ていたり、コタツに入ってテレビを観ていてデイサービスのことを忘れてしまっている人もいますが…。
玄関から出てきた高齢者は、送迎車に乗り込みます。しかし、介護ヘルパーの判断で、高齢者に一旦玄関に戻ってもらうことがあります。
さて、それは何故でしょう?
答えは「靴を履き直すため」です。
高齢者の多くは、靴の踵(かかと)を踏みつけたまま靴を履いてしまいます。玄関から送迎車までは至近距離なので、それが原因で転倒することはほぼ無いのですが、やはり危険です。玄関にも戻ってしっかりと履き替えてもらいます。
私も、数え切れないほど靴の履き替えの介助をしました。その際、「靴の踵部分ってなんでこんなに硬いのだろう?」といつも思います。
もちろん、靴紐を充分に緩めてから履けば良いのですが、手先にチカラが入らない人には難しいですし、そもそも面倒です。
靴紐の代わりにマジックテープを使い、靴の前側を簡単に開け締めできるタイプの靴もあります。それなら大丈夫と思いきや、踵を踏みつけたまま靴を履く人が後を絶ちません。
それ程までに「踵を靴に入れる」という動作が高齢者には負担なのです。
【バリアフリーアドバイス】
最近では、踵の部分をゴム素材にしたシューズが販売されています。これなら踵を靴に入れるのが簡単になるのでオススメです。
しかし、残念なことに、このシューズが「高齢者に便利」であることのアピールがないのです。
踵の問題で困っている高齢者や家族は多くいます。なので
高齢者用シューズ 〜かかと部分がゴムだから簡単に履くことができます〜
などとアピールすれば、シニアマーケットという巨大な市場を開拓できます。
【バリアフリー商品開発のヒント】
また、踵部分に切り込み(縦方向の切り込み)を入れ、マジックテープでしっかりと留められるようにすれば、更に楽になります。
【バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略】
上記の通り、踵をゴムにした靴を高齢者用シューズとしてアピールする。
或いは、踵部分に切り込みを入れマジックテープで留められるようにする。
このようにすれば、シニアマーケットという巨大な市場を開拓できます。
このようなアイデアの積み重ねが、ブルーオーシャン戦略成功の鍵になるのです。
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