【バリアフリー目線の商品開発支援 〜ボディソープ・シャンプー編〜】
今回のテーマはボディソープとシャンプーです。
高齢者デイサービスでは、高齢者の入浴介助を行います。
身体機能が著しく衰えた人の場合、介護ヘルパーが全面的に介助します。介護ヘルパーが高齢者の髪の毛をシャンプーし、高齢者の身体も介護ヘルパーが洗います。
その一方、まだ手先が充分に動かせる人の場合は、高齢者自身がシャンプーをして、身体も自分で洗います。その場合、介護ヘルパーはそれを見守るだけです。
ところが、高齢者自身がシャンプーをして、さらに自分の身体を洗う場合、1つ困り事が生じてしまいます。さて、その困り事とは何でしょう?
答えは「ボディソープとシャンプーの区別が難しい。」です。
最近のボディソープやシャンプーの容器は非常にオシャレにデザインされています。しかし、高齢者にとってはこのオシャレなデザインが逆に迷惑な場合があります。
どっちがボディソープで、どっちがシャンプーなのかが分からないからです。もちろん、容易に区別できる人も中にはいますが、殆どの人は苦労します。
上の写真を見ても分かるように、容器や文字のデザインがオシャレすぎて、高齢者には区別がつかないのです。
そこで、介護ヘルパーは下の写真のように、テープを貼って大きく「ボディソープ」とか「シャンプー」と書いています。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
このように高齢化社会では、「大きくて、分かりやすい」がキーワードになります。
オシャレな容器はもちろん必要ですが、オシャレな中にも「分かり易さ」がないと困るのです。
超高齢化社会では、オシャレで分かり易い容器が必要とされます。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
現在、各社から多種多様なシャンプーやボディソープが販売され過当競争になっています。消費者から見れば、どの商品も同じに見えてしまうので、結局は価格競争に陥ります。
でも、誰もが分かり容器に入ったボディソープやシャンプーを販売し、その分かりやすさをアピールすれば他社製品と容易に差別化できます。
しかも、介護を中心とした高齢者ビジネスの需要は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。
まさにブルーオーシャン戦略を実現できるのです。
オシャレな中にも分かり易さを…シニアマーケット、バリアフリー市場で必要な着眼点です。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
私は温泉が大好きで、よく温泉に行きます。
しかし、近眼なのでお風呂では本当に何もかもがピンぼけになります。小さな字など全く読めません。
なので、大きな文字で「ボディソープ」や「シャンプー」と書かれていれば非常に助かります。分かり易さを求めているのは高齢者だけではないのです。
バリアフリー目線から生まれるアイデアはすべての人を幸せにするのです。
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