【バリアフリー特許の世界 食器編】
今回は「スプーン等の柄に関する発明」です。
特許第6348617号
【発明の名称】高齢者、病人及び幼児用補助グリップ
スプーンやフォークの「柄」って、持ちやすいものと、持ちにくいものとがありますよね。
以前、洒落たレストランで出されたスプーンの柄が非常に細くて「なんて持ちにくいのだろう」と感じたことがあります。
一般的に、柄が細いともちにくく、柄が太いと持ちやすい傾向があります。
今回紹介する発明は、スプーン等の柄を極端に太くしたものです。
高齢者や障害者の中には、手先のチカラが極端に弱い人がいます。
そのような人が柄の細いスプーンを使うと、スプーンをすぐに落としてしまったり、スプーンはなんとか保持できても上手く食べ物をすくえないことがあります。
そこで、この発明のようにテニスボールのような球体グリップをスプーンの柄に取り付ける。これにより、手先にチカラが入らない人でも、しっかりとスプーンを持つことができます。
更に、この球体グリップは、スプーンの先を浮かしておけるので、スプーンの先がテーブル面に接することがなく、衛生的です。
なーるほど。これは便利、グッドアイデアです。ぜひ一度、高齢者デイサービスにて使ってみたいです。
ただし、この特許発明。請求項1に「球体の底部の先端を切り取る」とあります。権利解釈上、一体成型したら権利範囲を外れてしまうのか? それとも大丈夫なのか? との疑義が残ります。(まぁ、この辺のところは諸事情あって仕方なくこうなったのかもしれませんが…)。
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