記事の概要
・各市町村から配布されている「ゴミの日カレンダー」をバリアフリー目線で見直すと、意外な困り事が浮かび上がる。
・その困り事とは?
・その困り事を解決するアイデアと、バリアフリー商品開発で必要となる着眼点について考察します。
【バリアフリー商品開発支援 〜ゴミの日カレンダー編〜】
「ゴミの日カレンダー」というものがあります。
各市町村が住民に配布するカレンダーで、例えばそこには、
6月26日 燃えるゴミ
6月28日 燃えないゴミ
などと、その日に収集するゴミの種類を表示してあります。皆さんのお住いの地域でもきっと配布されていると思います。
でも、バリアフリー目線で見た場合、この「ゴミの日カレンダー」には、1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?
答えは「カレンダーを確認しても、すぐに忘れていまう。」です。
発達障害を持つ人の中には、注意力が散漫な人がいます(もちろん、そうでない人も沢山います)。
注意力が散漫な人が、「今日は”燃えるゴミだったかな?” それとも”燃えないゴミ”だったっけ?」と、ゴミの日カレンダーを確認し、そこには「燃えるゴミ」と記載してあったとします。
「そうか。今日は”燃えるゴミの日”なんだ」
と、”燃えるゴミ”の袋を取りに行こうとした途中に「何か気になること(例えば、テレビの占いコーナーが気になった等)」があった場合、もう「今日は”燃えるゴミだったか?” ”燃えないゴミだったか?”」を忘れてしまいます。
バリアフリーアイデア
この原因は、ゴミの日カレンダーが「文字のみ」で伝えたことにあります。
「文字のみの情報」は直感的に伝わらないので、忘れやすいのです。
そこで、「文字のみ」でなく「色や形を統一する」ことが必要になります。
例えば、東京の町田市で使われている「ゴミの日カレンダー」は、カレンダーの表示(色)と、ゴミ袋の色とが統一されています。
カレンダー上に「燃えるゴミ」は黄色い袋の図が表示され、実際のゴミ袋も黄色になっています。
「燃えないゴミ」の場合は、カレンダー上に「燃えないゴミ」は緑色の袋の図が表示され、実際のゴミ袋も緑色になっています。
このように、色が揃っているので直感的に理解でき、忘れにくい。
形や色を揃える…高齢者ビジネスやシニアマーケットにおけるバリアフリー商品開発において必要な着眼点です。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
今回は発達障害の人を例に説明しましたが、このような「もの忘れ」は発達障害の人だけに起こることではありません。
例えば、私も冷蔵庫を開けたときに「あれ? 何を取り出そうとしてたんだっけ?」などと思うことがあります。
もの忘れは誰にでもあることです。なので、このように直感的に理解できれば、多くの人が助かります。
バリアフリーはすべての人の暮らしを便利にするのです。
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