【バリアフリー商品開発支援 〜保持具編〜】
今回のテーマは「保持具(荷物を保持するフック)」です。
高齢者デイサービスには沢山の高齢者が通ってきます。
仲間とのおしゃべりが楽しみで仕方ない人、入浴だけが楽しみという人、他人との関わりが億劫だけど健康増進のために仕方なく来ている人などなど、様々な高齢者が集まります。
高齢者がデイサービスに到着すると、まずはテーブル席に着席し、お茶を飲み、血圧や体温を計測します。
そこで、邪魔になるのが「杖」です。杖を使わない人もいますが、多くの高齢者が杖を使っています。着席するとテーブルに杖を立てかけるのですが、少しでもバランスが崩れるとパタンと杖が倒れてしまいます。
そんな邪魔な杖をテーブルに立てかける保持具は、すでに多数販売されています。市販の保持具を使用すれば、杖をしっかりとテーブルに保持できます。
しかし、市販の保持具をバリアフリー目線で見直すと、1つ困り事が浮かび上がります。さて、その困り事とは何でしょう?
答えは、「杖を保持できても、バッグを保持できない」です。
デイサービスに通う高齢者の持ち物の定番は「杖」だけではありません。身の回り品を入れるバッグも高齢者の持ち物の定番です。なので、杖を保持できてもバッグが保持できないと困るのです。
バッグの置き場所に困り、バッグを床に置いているケースもありますが、これは高齢者が躓いて転倒するおそれがあるため、非常に危険です。
下の写真は、実際の高齢者デイサービスの風景です。この人の場合、杖とバッグの置き場所がなくいつも困っています。認知の傾向がある人なので、平気でバッグや杖を床に置いてしまい危険です。
バリアフリー目線の商品開発
そこで、杖とバッグとを一緒に保持できる保持具が必要とされ、それが開発・販売されています。
下の写真のように、玉子型に折りたたまれたフックを展開してテーブルにセットするとバッグを保持でき、更にもう一つの柔らかいワイヤーを杖に巻き付ければ杖も保持できます。
実はこの商品、当協会の商品でこちらの販売ページから購入できます(二刀流フックという商品名です)。
保持具をバリアフリー目線で見直すとこのような商品が生まれます。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
しかも、この二刀流フックは、「杖」だけでなく「傘」も保持できます。
雨の日のカフェなどで傘やバッグの置き場所に困った経験は誰にでもあると思います。そのような人にこの二刀流フックは最適です。
バリアフリーの目線で商品を開発すると、健常者にも便利な商品になるのです。
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