【バリアフリー商品開発支援 〜風呂敷編〜】
今回のテーマは「風呂敷」です。
最近、和服がブームになっているそうです。
確かに、和服を着て街を歩いている人や、浴衣で花火大会に出かける人をよく見かけるようになりました。
そんな時に必要なのが「風呂敷」。和服に西洋風のバッグは似合わないため、風呂敷に注目が集まっているそうです。
しかし、この風呂敷をバリアフリー目線で見直すと、1つ困り事があります。
さて、その困り事とはなんでしょう?
答えは「風呂敷を結ぶ際、風呂敷の隅が見つからない」です。
風呂敷を結ぶところを想像してみて下さい。
風呂敷には4つの角(隅)があり、結ぶ際は、対角(向かい合う隅)同士を絡ませた上で、両方の角の先端部を外側に引っ張ります。
ところが、対角を絡ませている途中で先端部が一時的に見えなくなります。
健常者であれば、一時的に見えなくなっても先端部を難なく探し出して結ぶことができますが、知的障害のある人や高齢者の場合これが難しいのです。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
そこで、風呂敷の四隅に「尻尾」を付けます(下の写真)。
このようにすれば、誰でも先端部を容易に探し出すことができ、風呂敷を結ぶことができます。
対角の色を合わせれば、対角が分かりやすくなり更に結びやすくなります。
また、尻尾をリング状にすれば、手先が不自由な人でも、指を引っ掛けて容易に結ぶことができます。
障害児療育の現場
障害児療育の現場では、実際にこの「尻尾付き風呂敷」を使っています。
最初は大きな尻尾を付けて風呂敷の練習をし、徐々に尻尾を小さくしていくと、最後は尻尾無しで結べるようになります。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
この風呂敷は知的障害児のために開発されたものですが、これは高齢者にとっても便利です。しっかりとデザインすれば、高齢者向けにも販売できます。
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