【バリアフリー商品開発支援 〜シャワー編〜】
記事の概要
・浴室のシャワーをバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会において必要となるシャワーのアイデアについて考察します。
排泄に難のある高齢者にとって、入浴は衛生上とても大切。特に、汚れをさっと流せるシャワーは高齢者施設で大活躍です。
でも、このシャワーをバリアフリー目線で考察すると1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?
答えは「シャワーヘッドの収納が難しい」です。
シャワーヘッドはC型をした収納フックに収納しますよね。
でも、このC型フックの隙間(開口部)が狭くて小さいのです。シャワーホースがやっと入るくらいの小さな隙間です。
なので、手先が不自由、或いは、視力が衰えた高齢者にとって、シャワーヘッドを収納するのはとても難しい。私は以前、入浴介助の際に試しに何人もの高齢者にシャワーヘッドを収納してもらったのですが、できない人が多くいました。収納できた人もいましたが、「やっとの思いで収納できた」という感じでした。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
そこで収納が容易なシャワーの開発という着想が生まれます。
例えば、C型フックの隙間(開口部)を広げる一方で、シャワーヘッドの根元を太くする。
こんな感じ↓
C型フックの隙間をホースが楽々入る広さにして、シャワーヘッドの根元は隙間より大きくする。これなら高齢者も楽にシャワーヘッドを収納できます。
これって、もう既にありそうなんですが、意外と見つからないんです。
「間口を広くする」…以前紹介したスボンの例と同様、バリアフリー市場 ・高齢者ビジネス で必要な着眼点です。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
収納しやすいシャワー。私は見たことがありません。
なので、「高齢者用シャワー 〜シャワーヘッドを収納しやすい特殊構造を採用〜」などとアピールすれば、他社製品と簡単に差別化できます。
しかも、高齢者ビジネスの需要は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
私は近眼・乱視なので、メガネがないと近くの物も正確に見ることができません。
入浴時は当然眼鏡を外しますから、このようなシャワーがあれば大変助かります。
近眼や乱視の人は非常に多いです。バリアフリーアイデアはすべての人を幸せにするのです。
バリアフリー目線の大切さ
確かに、シャワーって収納しづらいですよね。私は、ただ何となく我慢していました。きっと皆さんもそんな感じだと思います。
でも、高齢者のバリアフリー目線は厳しいです。「これは使いにくい」と態度できっぱりと教えてくれます。そして、それが新商品開発のヒントになり、すべての人の暮らしを便利にするのです。
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