【バリアフリー商品開発支援 〜キーフック編〜】
記事の概要
・市販のキーフック(鍵のホルダー)をバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・バリアフリー時代に必要となるキーフックのアイデアについて考察します。
今回のテーマは鍵を収納するホルダー(キーフック)です。
我が家に到着したら、鍵をキーフックに戻します。
でも、このキーフックをバリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?
答えは「戻し忘れると鍵が行方不明になる」です。
もちろん、鍵を戻し忘れてもすぐに見つかる場合はあります。でも、鍵を戻し忘れて行方不明にしてしまった経験は誰もが一度はあると思います。
しかし、発達障害のある人の場合、これが日常茶飯事なのです。
もちろん発達障害を持つすべての人ではありませんが、物を頻繁に失くしてしまう人は多くいます。
バリアフリーアイデア
このように鍵を頻繁に失くす人は、鍵を紐でカバンに結びつけて対処しています。
こんな感じ↓
でも、家族共用の鍵などはカバンに結び付けて持ち歩くわけにはいきません。
そこで、ある発達障害の人の奥様が、下駄箱の上に小さなお皿を置き、家に着いたら鍵をその皿に乗せるようご主人に提案しました。
こんな感じ↓
すると、ご主人はそれ以降、鍵を紛失しなくなったそうです。
家について鍵をお皿に置くと「チャリーン」と音がします。この音が重要です。
「家に着いたら(鍵を置いたら)らチャリーンという音がする」という、「行為(帰宅・鍵を置く)」と「音(五感)」とがセットになると、帰宅時にその音を聞かないと違和感を感じるようになり、毎回鍵を皿の上に置くようになります。なので、それ以降、鍵を失くすことがなくなったわけです。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
このアイデアをキーフックに転用して「鍵を掛けると音がするキーフック」を開発すれば、鍵が行方不明になることを防止できます。
鍵を失くすのは、発達障害の人だけではありません。
健常者でも失くす人は沢山います。特に、注意力が衰える高齢者にもこのような人は多くいます。
「行為と五感をセットにする」。バリアフリー市場 ・高齢者ビジネス ではこのような着眼点が必要になります。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
音で鍵の行方不明を防止するキーフック。まだこんな商品見たことがありません。
「鍵の紛失を防止する不思議なキーフック」などとアピールすれば、うっかり屋さん達に喜ばれる唯一無二の商品になります。まさにブルーオーシャン市場です。
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