【バリアフリー商品開発 〜体重計編〜】
記事の概要
・市販の体重計をバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会において必要となる体重計のアイデアについて考察します。
高齢者デーサービスでは、健康管理のため定期的に体重測定を行っています。体重を計測する際は、一般的な体重計(ヘルスメーター)を使用しています。
でも、この体重計をバリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?
答えは「体重計の段差を越えられない高齢者がいる。」「体重計が滑って危険。」です。
順を追って説明します。
体重計の厚みって、大した厚みではありません。最近では薄型の体重計も多数販売されています。なので、大抵の高齢者は介護ヘルパーが支えれば体重計に乗ることができます。
しかし、重度の歩行困難者、認知が進み介護ヘルパーの指示の意味を理解できない、そんな人は体重計を乗ることができません。体重計の横に足をぶつけてしまいます。
こんな感じ↓
足をぶつける程度なら良いのですが、バランスを崩して転送したら大変です。
そこで、高齢者に椅子に座ってもらい、座った状態で高齢者を体重計に乗せ、その後に立ち上がってもらいます。
しかし、これが危険なんです。
立ち上がる際、体重計には斜め上から体重がかかるため、体重計がツルっと滑って、高齢者が転倒する危険があるのです。
こんな感じ↓
バリアフリー目線による商品開発ヒント
そこで、業務用の体重計(例えば、車椅子に乗ったまま使える体重計)などを導入する必要があります。ただ、業務用は高価なので、専門的な施設でないと購入できません。
そこで、床にしっかりと固定できる体重計が必要になります。
体重計が固定されていれば座った状態で体重計に乗ってもらえますし、コストもそれ程かからない筈です。なので、全国の病院や高齢者施設、高齢者の住む家庭で喜んで貰えます。
さらに、バリアフリー建築においては、床面に体重計を収納できる凹みを作ることも必要になります(高齢者がその凹みで転倒しないような配慮は必要になります)。このようにすれば市販の体重計でも高齢者の体重を計測できます。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
床に固定できる体重計。今まで見たことがありません。
そこで「介護用体重計 〜床に固定できる安全設計を採用〜」などとアピールすれば、唯一無二の商品となります。
しかも、介護を中心とした高齢者ビジネスの需要は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
このような体重計があれば、わんぱく盛りのお子さんにとっても安全です。子供は色々な物に飛び乗りますから。
バリアフリー目線の大切さ
体重計の高さ(厚み)を乗り越えられない。健常者では想像できないことです。
高齢者のバリアフリー目線が新しい商品開発のヒントをくれるのです。
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