高齢者の「床ずれ」と「オムツ交換」の問題を解決するベッドマットのアイデア

バリアフリー特許の世界

【バリアフリー特許の世界 〜ベッドマット編〜】

「褥瘡(じょくそう)」という言葉をご存知でしょうか?

いわゆる「床ずれ」のことです。

高齢者デイサービスに通う高齢者にも褥瘡で悩む人は多く、私は何度もその患部を見たことがあります。もう、本当に痛々しくて、ご本人も本当に辛そうです。

話は変わりますが、高齢者のオムツ交換ってしたことありますか?

高齢者に仰向けになってもらう→腰を浮かせる→オムツをお尻とベッドマットとの隙間に挿入する、という手順で行うのですが、これって結構大変なのです。特に、腰を浮かせてオムツを挿入する作業が…

バリアフリー特許の紹介

この褥瘡とオムツ交換の問題点を一挙に解決する介護用マットが特許になっています。

【特許番号】  第6458209号

【考案の名称】  多分割したエアー袋で構成された介護用多機能マット

【氏名又は名称】青井  久生

下図のように。マットがマス目状に区切られていて(区切られたブロックになっていて)、1つ1つが空気によって膨縮するようになっています。

特許第6458209号の特許公報より引用

そして、褥瘡の場合は、患部にあたる部分のブロックを縮ませる。これにより床ずれを防止できます。

特許第6458209号の特許公報より引用

また、オムツ交換の場合は、お尻があたる部分のブロックを縮ませる。これによりお尻とベッドマットとの間に隙間ができ、オムツ交換が楽になります。

特許第6458209号の特許公報より引用

なるほど〜!

これは便利かもしれません。ぜひ一度使ってみたいです。

Point バリアフリー目線はアイデアの宝庫

・バリアフリー目線(高齢者や障害者の目線)で商品を見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。

・バリアフリー目線で商品やサービスを見直せば、無限にアイデアが湧いてくる。

ただし、この特許発明。請求項1に余分な構成要件があり、特許の権利として弱いかと思います。慎重に請求項を記載すれば、もっと広範囲の特許が取れたかもしれないですね。

まぁ、この辺のところは諸事情あって仕方なくこうなったのかもしれません。当事者でないと分からない事情もありますから…

ご提案

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。

当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
興味のある方は本ブログの下欄にある「問い合わせ」からお問い合わせください。

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