車椅子ユーザーを悩ます余計な壁

一歩足りないバリアフリー

【一歩足りないバリアフリー 〜車椅子スペース編〜】

今回のテーマは「車椅子スペース」なのですが、今回は「一歩足りないバリアフリー」というより「ちょっと余計なバリアフリー」です。

下の記事は、ある車椅子ユーザーの方のTwitter投稿です。

Twitterアカウント[sasayakibito] さんの投稿から引用

投稿の概要

  • ある病院の待合室に車椅子用スペースが設けられていたが、3方が壁で塞がれている。
  • この壁があると、車椅子で入ることが意外と難しい。
  • 出口に人が立つ場合があり、その場合車椅子スペースから出られなくて困る。

介護ヘルパーの立場から

おそらくこの投稿者は一人で外出できる方だと思いますが、一人で外出できない高齢者を

介護する介護ヘルパーの立場からみてもこの壁は困るのです。

 

介護ヘルパーは車椅子を後方から押します。当然ですね。

ところが、このように3方を壁で塞がれていると、介護者は車椅子スペースから出られなくなります。そのため、介護ヘルパーは以下の動作を行います。

介護ヘルパーの動作

  • 車椅子用スペースの前で一旦車椅子を止め、
  • 車椅子の前方に回り込み、
  • 前方から車椅子を押してスペースに入れる。

このような余計な動作をしなければなりません。

Twitterに投稿した方も言っていますが、「床に線を引く程度」でいいと思います。その方がコストも安いですし。

モニター調査と設置理由

この件で2点気になることがあります。

1つ目は、この壁を設置するにあたり車椅子ユーザーに意見を聞くなどの「モニター調査をしたのか?」です。

Twitter投稿した方や、介護経験のある人なら「これは要らない」或いは「あってもいいけど、もうひと工夫すべき」と言った筈です。

2つ目は、「なぜ、このような壁を設けたのか?」です。

この壁の設置には、それなりの費用がかかった筈です。全くの推測ですが、5万円程度では無理、おそらく10万円以上かかったのではないかと思われます。

  • なぜ、費用をかけてまで壁を設置したのか?
  • 誰かが車椅子スペースに物を置いてしまう場合があるので、それを防止するためか?
  • それとも、他に利便性があるのか?

今のところ、合理的な理由が見つかりません。この壁を設けた理由をご存じの方は是非教えて下さい。

 障害当事者や介護ヘルパーへの調査の重要性

あまり他人様の仕事にケチをつけることは言いたくないですし、そのような発言は極力控えているのですが、ただこれは残念ながら疑問の多い設備です。

障害当事者や介護ヘルパー等にしっかりとインタビューをすれば、このような事態は避けられた筈です。

折角費用をかけて設けた壁が、車椅子ユーザーの迷惑になってしまうのは勿体ないですね。

繰り返しになりますが、この壁を設けた理由をご存じの方は是非教えて下さい。

ご提案

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。

当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
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