【一歩足りないバリアフリー 〜投票所編〜】
記事の概要
・「投票」に関し、各自治体は様々なバリアフリー対策を行っている。
・しかし、それにもかかわらず投票を行わない高齢者は多い。それは何故か?
・多くの高齢者が投票を行えるバリアフリーアイデアについて検討します。
今日のテーマは投票所です。
この記事を書いているのは令和元年7月。来月は令和になって初めての国政選挙(参議院の選挙)が行われます。
最近ではバリアフリーに対する意識が高まり、投票所でも様々なバリアフリー対策がなされています。
今回は様々なバリアフリー対策を見ながら、高齢者と投票行為について検討します。
選挙のバリアフリー対策
(1)殆どの投票所では、車椅子の人ためにスロープが設置してあります。
(2)聴覚障害の人のために、筆談や手話通訳の用意もあります。
(3)身体が不自由で、自力で投票所に行くことが困難な人に対しては、投票所までの送迎サービスもあります。
(4)過疎地対策として、クルマで移動して一時的・簡易的に投票所を設置する自治体もあります。
(5)更に、寝たきりの人などに対しては、郵便・代理による投票も受け付けています。
この他にも、各自治体では様々なバリアフリー対策を行っています。国民の大切な選挙権を守るため、行政も頑張っています。
投票行為の現状
しかし、それにもかかわらず、高齢者施設には「選挙? 投票? 最近全然行ってないよ。」という人が多くいます。不思議です。
そこで、私は、実際に高齢者施設に住む高齢者にインタビューして回りました。その結果、ほぼ全員が投票していません。
理由を尋ねると…
- 外出は億劫。疲れる。辛い。
- 送迎サービスや郵送制度を知らない
- サービス利用の方法が分からない。
- そもそも選挙に興味がない。
- 「どうせ選挙になんか行けない」と諦めてしまっている。
大凡こんな感じでした。
行政も頑張ってバリアフリーサービスを提供しています。しかし、その一方でサービスが利用されていない。
私は、何もかも行政の責任にするのは好きではないのですが、残念ながら「一歩足りないバリアフリー」となってしまっています。
バリアフリーアイデア
そこで、投票ダイヤルによる出張投票サービスが必要になります。
「投票ダイヤル」という名の専用電話番号を役所に設け、高齢者から電話で要請があれば、役所が「移動式投票セット」を持参して、「期日前」に「高齢者の自宅や部屋」まで行き、高齢者に投票してもらうのです。
これなら高齢者は、電話するだけで自宅に居ながら簡単に投票できます。
なお、現状では選挙の公正性確保の観点から法律上認められないかもしれません。しかし、超高齢化社会において高齢者の選挙権を守るためには認められるべきものです。
また、公正性確保についても、投票の様子を録画する、或いはウェブカメラなどを利用して投票の様子を遠隔地から監視するようにすれば良いだけで、技術的には難しくないはずです。もちろん、投票用紙の記入内容にはカメラを向けないような配慮は必要です。
役所の労力も甚大となりますが、業者への委託制度などを利用すれば出来るはずです。
行政も頑張って様々なバリアフリーサービスを提供しています。折角なので、もう一歩踏み込んだバリアフリー対策を講じれば、高齢者の大切な選挙権を守ることができます。
労力や費用面で改善の余地があるとは思いますが、このような仕組みができればと願っています。
バリアフリー目線のブルーオーシャン戦略
私は、早晩このような制度ができると考えています。
そこで、この出張サービスで利用する「移動式投票セット」で必要となる器具を考えて製造する。或いは、その発明を特許出願しておく。
高齢化は我が国だけでなく、アメリカや中国など世界各国で進んでいます。その投票セットでブルーオーシャン市場を開拓できる可能性があります。
また、出張サービスの業務委託のノウハウを考え準備しておけば、半永久的に仕事に困りません。選挙というのは、小さな市町村を含めれば、毎週のように行われているからです。
コメント
[…] 前回の記事でも記載したとおり、最近ではバリアフリーに対する意識が高まり、投票所でも様々なバリアフリー対策がなされています。 […]