【一歩足りないバリアフリー 〜車椅子スペース編〜】
今回のテーマは「車椅子スペース」なのですが、今回は「一歩足りないバリアフリー」というより「ちょっと余計なバリアフリー」です。
下の記事は、ある車椅子ユーザーの方のTwitter投稿です。
病院の待合室にあった車椅子用のスペース。狭くてバックで入るのは案外難しい。横の壁が邪魔で、前に人が立たれると、出られない。
— sasayakibito (@sasayakibito) November 23, 2019
オリンピックにも同じ様なスペースを見るが、床に線を引くだけか、隅にボール程度にした方が圧迫感が、無くて良いかも。 pic.twitter.com/uL5aXtNscY
Twitterアカウント[sasayakibito] さんの投稿から引用
投稿の概要
- ある病院の待合室に車椅子用スペースが設けられていたが、3方が壁で塞がれている。
- この壁があると、車椅子で入ることが意外と難しい。
- 出口に人が立つ場合があり、その場合車椅子スペースから出られなくて困る。
介護ヘルパーの立場から
おそらくこの投稿者は一人で外出できる方だと思いますが、一人で外出できない高齢者を
介護する介護ヘルパーの立場からみてもこの壁は困るのです。
介護ヘルパーは車椅子を後方から押します。当然ですね。
ところが、このように3方を壁で塞がれていると、介護者は車椅子スペースから出られなくなります。そのため、介護ヘルパーは以下の動作を行います。
介護ヘルパーの動作
- 車椅子用スペースの前で一旦車椅子を止め、
- 車椅子の前方に回り込み、
- 前方から車椅子を押してスペースに入れる。
このような余計な動作をしなければなりません。
Twitterに投稿した方も言っていますが、「床に線を引く程度」でいいと思います。その方がコストも安いですし。
モニター調査と設置理由
この件で2点気になることがあります。
1つ目は、この壁を設置するにあたり車椅子ユーザーに意見を聞くなどの「モニター調査をしたのか?」です。
Twitter投稿した方や、介護経験のある人なら「これは要らない」或いは「あってもいいけど、もうひと工夫すべき」と言った筈です。
2つ目は、「なぜ、このような壁を設けたのか?」です。
この壁の設置には、それなりの費用がかかった筈です。全くの推測ですが、5万円程度では無理、おそらく10万円以上かかったのではないかと思われます。
- なぜ、費用をかけてまで壁を設置したのか?
- 誰かが車椅子スペースに物を置いてしまう場合があるので、それを防止するためか?
- それとも、他に利便性があるのか?
今のところ、合理的な理由が見つかりません。この壁を設けた理由をご存じの方は是非教えて下さい。
障害当事者や介護ヘルパーへの調査の重要性
あまり他人様の仕事にケチをつけることは言いたくないですし、そのような発言は極力控えているのですが、ただこれは残念ながら疑問の多い設備です。
障害当事者や介護ヘルパー等にしっかりとインタビューをすれば、このような事態は避けられた筈です。
折角費用をかけて設けた壁が、車椅子ユーザーの迷惑になってしまうのは勿体ないですね。
繰り返しになりますが、この壁を設けた理由をご存じの方は是非教えて下さい。
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