【バリアフリー特許の世界 〜宅配弁当システム編〜】
記事の概要
・高齢者向けのお弁当宅配が盛んに提供されているが、これを高齢者が持つバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会において必要となる宅配弁当システムのアイデアを紹介します。
今日のテーマは「宅配弁当」です。
高齢化・核家族化が進み独居老人が増加しています。それに伴い、その人達への宅配弁当サービスも急増。巨大な市場規模のシニアマーケットを狙う大手コンビニチェーンなども参入しています。
バリアフリー目線の宅配弁当システム
ところが、そんな高齢者向け宅配弁当で1つ問題が生じています。さて、その問題とはなんでしょう?
答えは「キャンセルが難しい」です。
基本的に弁当は毎日配達されるのですが、高齢者は弁当が一時的に不要になってもキャンセルできない、という問題です。
キャンセルできない原因は、PCやスマホの操作が苦手でキャンセルのやり方が分からない、キャンセルするのを何となく申し訳なく感じる…
原因は様々ですが、キャンセルができないことにより、弁当が無駄になり、余計な出費が生じてしまうのです。
そこで、ボタン1つで宅配弁当をキャンセルできるバリアフリーアイデアが提案され、既に特許権が付与されています。特許権者は株式会社ナスカ、特許番号は「特許第6246290号」です。
装置のボタンを押すと、弁当をキャンセルする旨のデータが宅配弁当業者のサーバーに送信され、弁当がキャンセルされます。また、高齢者の家族(息子さんや娘さん等)にキャンセルされた旨が通知される見守り機能も付いています。
バリアフリーアイデアは全ての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
このアイデアは高齢者のためのアイデアですが、他の人にも役立ちます。
「注文した商品のキャンセルのやり方が分からない。PCやスマホの操作が苦手。」というは若い人も多いからです。バリアフリーアイデアはすべての人を幸せにするのです。
私もネットショップで注文した商品のキャンセル方法が分からなくて困った経験があります。
そんなとき「キャンセルボタン」がPCやスマホの画面に大きく表示されていたら助かります。お店側にとってはキャンセルが容易になると利益が減るので困るかもしれませんが、この方が安心して注文できるので却って利益が増加するかもしれません。
キャンセルを容易にして高齢者を安心させる…バリアフリー市場・高齢者ビジネスにおいて必要な着眼点です。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
このように、バリアフリー目線に立った商品開発を行えば、アイデアは無限に湧いてきます。他社にはない「宅配弁当システム」のアイデアが生まれます。
特に、高齢者ビジネスの市場規模は大きく、これからアメリカや中国でも高齢化が進みま、需要は増加する一方です。まさにブルーオーシャン市場です。
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