【バリアフリー特許の世界 〜靴べら編〜】
今回は「靴べら」に関する発明の紹介です。
特許第5947429号
【発明の名称】靴べら用補助部材
このブログを書いているのは11月。
これから寒くなり、高齢者は家に引き篭もりがちになります。外出の機会が激減する季節です。
しかし、高齢者にとって外出は非常に重要です。家に引き篭もってしまうと、歩行の機会が減って身体機能が衰えるだけでなく、他者との交流も減るので認知機能までも衰えてしまうからです。
そして、外出時に欠かせないのが「靴」ですが、「靴を履く」という行為は、心身が衰えた高齢者にとっては難題で、靴の「かかと部分」を踏み潰したまま歩き出す人が多くいます。
これは以前のブログ(高齢者が履きやすい外履き靴のアイデア)にも書きましたが、転倒リスクが高く、非常に危険です。
今回紹介する発明は、そんな高齢者でも靴を履きやすくなる「靴べら」です。
靴の後方(かかと部分の上部)にフックを取り付け、そのフックを後方から引けば、かかと部分が大きく広がり、容易に靴を履ける。かかと部分を踏み潰すことを防止する、という発明です。
なーるほど。便利ですね。
個人的には、以前ブログに書いたアイデア(高齢者が履きやすい外履き靴のアイデア)の方が使いやすいと思いますが、この発明もなかなか素晴らしいです。ぜひ一度、高齢者デイサービスで使ってみたいです。
ただし、この特許発明(請求項1)。取付手段として「接着剤」が必須要件となっていて、権利解釈上、接着剤以外を使用して取り付けると効力範囲から外れる可能性があります。接着剤以外でも取り付け可能だと思われ、少々勿体ない気がします(まぁ、この辺のところは諸事情あって仕方なくこうなったのかもしれませんが…)。
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