高齢者が食べやすいお皿のアイデア

商品開発

【バリアフリー商品開発支援 〜お皿編〜】

記事の概要

【お皿】を高齢者や障害者が持つバリアフリー目線でみると、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。

・その欠点とは? そのアイデアとは?

・高齢化社会において必要となるお皿のアイデアについて記事にしました。

今回のテーマはお皿です。

高齢者のデイサービスでは、毎日「3時のおやつ」を出しますが、皆さんそれを楽しみにしています。

例えば、写真のプリンのような甘味は大好き。皆さん、あっという間に食べてしまいます。

でも、バリアフリー目線で見た場合、写真のプリン(正確にはプリンが入れたお皿)には、1つ困り事があります。さて、それはなんでしょう?

答えは「お皿が滑って食べづらい」です。

これは片手に麻痺がある人の話です。

片手に麻痺があるとお皿を押さえることができません。なので、麻痺のない手(動く方の々)でプリンをすくおうとすると、「スーッ」とお皿が滑ってしまい、プリンをすくえないのです。

バリアフリー目線による新商品開発ヒント

そこで、底面に滑り止め加工が付いたお皿が必要になってきます。

例えば、お皿の底にリング状のゴムを付ける。これならお皿が滑ることないので、片手に麻痺があっても「3時のおやつ」を上手に食べることができます。

そして、これを「高齢者用のお皿」として販売すれば、高齢者に喜んでもらえます。

また、高齢者にとってはテーブルの見直しも必要です。ツルツル滑るテーブルではなく、ある程度摩擦抵抗のあるテーブルの方がいいですね。

更に、土台部が大きくて重心がしっかりしているお茶碗などの食器も、高齢化社会では必要になります。手先にチカラが入らない。片手が不自由。そんな高齢者は沢山いるので、お茶碗の横転を防止する必要があるからです。

日常の動作を片手でやってみる。高齢者に特化した商品として販売する。…高齢者ビジネス・シニアマーケットにおいて必要な着眼点です。

バリアフリー目線の大切さ

「お皿が滑って食べにくい」。確かにその通りですね。

「言われてみれば当然だけど、言われないと分からない。」そんな意外なことを教えてくれる。それがバリアフリー目線の魅力です。

そして、そこから新しいアイデアが生まれるのです。

Point バリアフリー目線はアイデアの宝庫

・バリアフリー目線(高齢者や障害者の目線)で商品を見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。

・バリアフリー目線で商品やサービスを見直せば、無限にアイデアが湧いてくる。

バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略

滑らないお皿は一部で既に販売されていますが、未だ高齢者用に特化した形で売られているのを見たことがありません。なので、

「高齢者が食べやすいお皿です!」

とアピールして販売すれば、容易に他社製品と差別化できます。

特に、高齢者ビジネスの市場規模は大きく、これからアメリカや中国でも高齢化が進み、需要は増加する一方です。まさにブルーオーシャン市場です。

Point バリアフリー市場は巨大市場

・超高齢化社会。我が国の高齢者は人口の20%を超え、アメリカや中国など世界中で高齢者が進んでいる。バリアフリー商品への需要は極めて旺盛。

・高齢者は、我が国の金融資産の70%を保有する富裕者層であり、購入資金を潤沢に保有している優良顧客である。

バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)

滑らない。転倒しない。

そんな食器は高齢者や障害者だけでなく、すべての人にとっても便利です。私も食器を転倒させて食べ物や飲み物をこぼすことが多々あります。

バリアフリー目線から生まれるアイデアはすべての人を幸せにするのです。

高齢者施設の日常から

このお皿の話は、ある高齢者施設で働く介護ヘルパーさんから聞いた話です。

「お皿がスーッと滑って困るのよ。そんなときは面倒くさいから、私が高齢者に食べさせてあげちゃうの。本当は、高齢者が自分で出来ることは自分でやらないとダメなのだけど。」とそのヘルパーさんは笑っていました。なんでも介助してしまうことは、介護のあり方としては余り褒められた対応ではないのですが、こうやって介護ヘルパーの皆さんは高齢者と笑顔でコミュニケーションを取りながら介護をしています。

ご提案

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。

当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
興味のある方は本ブログの下欄にある「問い合わせ」からお問い合わせください。

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