【バリアフリー商品開発支援 〜エプロン編〜】
記事の概要
・市販のエプロンを介護ヘルパーが持つバリアフリー目線から見ると、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そこから生まれるアイデアとは?
・そのようなアイデアの積み重ねがブルーオーシャン戦略成功の鍵となる。
今回のテーマは「エプロン」です。
高齢者施設で働く介護ヘルパーの多くはエプロンをしています。会社から支給されたユニフォームを着ている人もいますが、エプロンは何かと便利なので人気です。
でも、このエプロンをバリアフリー目線で見た場合、1つ困り事があります。さて、その困り事とは何でしょうか?
答えは「ポケットが壊れやすい」です。
殆ど全てのエプロンには前方にエプロンが付いています。ここには小さなタオルや筆記用具・メモなどが入るので、とても便利なのですが、これが壊れやすくて困りまります。
壊れる過程を、車椅子に持っている高齢者を介助する場合を例に説明します。
まず、車椅子の高齢者を介助する際は、介護ヘルパーは車椅子の後ろに立ちます。
こんな感じ↓
車椅子のブレーキはヘルパーからみて前方斜め下にあります(赤枠部分)。
介護ヘルパーがブレーキを操作する際は屈みます。
すると、車椅子の持ち手の部分がエプロンのポケットに入ってしまいます。もちろん、入らない場合もありますしエプロンの構造にもよりますが、介護の現場では結構な高確率で入ってしまいます。
それに気づかず、ブレーキを操作し終えた介護ヘルパーが起き上がると…ビリビリとポケットが破れてしまいます。
そして、介護ヘルパーは家に帰って手縫いでポケットを修繕する。そんなことを介護ヘルパーは日々繰り返しているのです。
バリアフリー目線の商品開発ヒント
そこで、「ポケットを取り払ってしまえ」と言いたいところですが…やはりポケットは便利なので外すことはできません。
そこで、ポケットの入り口を「上」ではなく「外側」にする。ポケットの入り口が上にあるから車椅子の持ち手が入ってきてしまうのであり、それを横(介護ヘルパーの身体の外側方向)にすればいいのです。
このようにすれば、車椅子の持ち手がポケットに入って、ポケットが破れるという問題を解決できます。
バリアフリー目線の大切さ
エプロンにこのような問題がある。私は、実際に介護施設で働き、エプロンを付けて車椅子を押すまでこのことに気づきませんでした。
高齢者や障害者、更には介護ヘルパーが持つバリアフリー目線からみると商品の意外な問題点が浮かび上がります。そして、それが新しいアイデアのヒントになるのです。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
エプロンという商品は巷に溢れていて、他社製品との差別化が難しくなっています。
でも、「介護ヘルパー用エプロン 〜ポケットが車椅子の持ち手に引っかからない特殊構造を採用〜」などとアピールすれば、簡単に差別化できます。
特に、高齢者ビジネスの市場規模は大きく、これからアメリカや中国でも高齢化が進みま、需要は増加する一方です。まさにブルーオーシャン市場です。
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