【バリアフリー商品開発 〜バッグ編〜】
記事の概要
・市販のバッグを高齢者が持つバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がる。
・その欠点とは? それを解決するアイデアとは?
・そのアイデアを通して、バリアフリー商品開発に必要な着眼点を考察します。
今回のテーマは「バッグ」です。
高齢者デイサービスに通う高齢者の楽しみはお風呂。
衛生管理の面からも入浴して身体を清潔に保つことは大切です。
介護ヘルパーはそんな高齢者の入浴介助を行います。
入浴を行えば当然、着替えをします。
その着替えの準備をご自身で行う高齢者がいる一方で、認知症などの理由で自ら着替えの準備を行えない人も沢山います。
その場合、着替えの準備はご家族(或いは、訪問介護のヘルパー)が行います。ご家族(或いは、訪問介護のヘルパー)が、洗濯済みの清潔な服をバッグに入れて、それをデイサービスの介護ヘルパーに渡します。
例えば、下の写真のように、バッグの中身の説明を記載した上で、バッグの授受が行われます。
デイサービスの介護ヘルパーは入浴と着替えの介助を行い、高齢者が着ていた服(洗濯が必要な服)をバッグに入れて、そのバッグをご家族(或いは、訪問介護のヘルパー)に返却し、ご家族(或いは、訪問介護のヘルパー)が服を洗濯します。
しかし、デイサービスに着いた高齢者が入浴をしない場合があります。例えば、体調不良で入浴を取りやめた、ご本人が入浴を強く拒否したなどの原因で入浴をしない場合があるのです。
その場合、バッグ内の服の洗濯は不要になります。なので、デイサービスの介護ヘルパーは、以下の写真のような感じでご家族(或いは、訪問介護のヘルパー)に「洗濯は不要であること」を伝えます。
このように高齢者の家族(或いは、訪問介護のヘルパー)と、デイサービスの介護ヘルパーとの間では「物(バッグ)」と「伝言(言葉)」とのキャッチボールが頻繁に行われます。
言葉のキャッチボールは基本的に「連絡帳」を使用するのですが、ご家族が連絡帳を読まないケースもあり、バッグの中身の伝言については上の写真のように直接バッグに書き込んだ方が効果的です。
バリアフリーアドバイス
そこで、バッグの側面に、メモや小さなノートなどを挿入できる透明なポケットが必要になります。
透明な小さなポケットが付いたバッグは既に一部で販売されていますが、もっと大きなポケットにしてメモの伝言を見やすくし、これを「高齢者施設用のバッグ」として販売するのです。
バリアフリー目線の商品開発ヒント
上の写真のバッグは100円ショップで販売されている安価なバッグです。
しかし、大きな透明ポケットを付けて「高齢者施設用のバッグ 〜家族とヘルパーの伝言を確実に伝えることができます〜」などとアピールすれば、他社にはない唯一無二の商品となり、もっと高額で販売できます。
高齢者施設の専用品を販売する。…高齢者ビジネス・シニアマーケットで必要となる着眼点です。
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