【バリアフリー商品開発支援 〜クルマのシート編〜】
記事の概要
・クルマのシートをバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がる。
・その欠点とは? その欠点を解決するアイデアとは?
・高齢者がクルマに安全かつ楽に乗り込むことができるアイデアについて考察します。
今回のテーマは「クルマのシート」です。
足腰が衰えた高齢者にとってクルマは非常に大事な移動手段です。
クルマにさえ乗れば、どこへでもドア・ツー・ドアでたどり着けます。
しかし、高齢者にとってクルマの乗り降りは非常に危険で、転倒事故などが発生しやすい場面です。
下の写真は一般的なクルマの後部座席(シート)です。高齢者はこの座席に乗り降りするのですが、ここに転倒事故を引き起こしかねない欠点があります。
さて、その欠点とは何でしょう?
答えは「乗り込む際に、身体を引き上げることができない」です。
高齢者の中には背中が曲がっている人が多くいます。
その人が車に乗り込む際は、下の写真のような感じになります。
この人がクルマに乗り込む際は、右手でドアの凹みを掴み、左手は座席に手を置いて「よっこらしょ」と乗り込みます。
しかし、足腰が衰え、脚力も弱いですから、なかなか乗り込めない。勢いをつけて乗り込もうとしたけれど、乗り込めず、後方に転倒する。こんな危険があります。
どこかに掴まって身体を座席まで引き上げることができれば良いのですが、掴まるところ(身体を引き上げるために掴まるところ)がない…
バリアフリー目線の商品開発ヒント
そこで、下の写真のように座席に「吊り革」(黄色で示した部分)があれば、身体を引き上げることができます。
吊り革…その根本が座席の中央部に固定され、掴まる部分が外側に伸びる「吊り革」です。
この吊り革に高齢者が掴まり「よっこらしょ」と身体を引っ張り上げれば、楽々座席に乗り込むことができます。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
このような吊り革付きのクルマは、まだ販売されていません。
「高齢者でもラクラク乗り降りできるクルマ」とアピールすれば、他社製品と差別化でき、唯一無二のクルマになります。
高齢化は我が国だけでなく、アメリカや中国でも今後急速に高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。
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