【バリアフリー商品開発支援 〜椅子編〜】
今回のテーマは「椅子」です。
高齢者デイサービスには様々な高齢者が集まります。
その中には足腰が衰えた人が多くいて、その人達は椅子からの立ち上がり(離席)や着席に苦労する高齢者が沢山います。

例えば、高齢者が着席する場合、次の動作を取ります。
(1)椅子を引いてテーブルと椅子の間に移動する。
(2)座る。
(3)椅子を前方に移動させてテーブルに近づく。
椅子を前方に移動させる際、椅子を移動させるチカラがない人が多いので、介護ヘルパーが椅子を後方から押してあげます。
しかし、これを行うと1つ困り事が生じます。さて、その困り事とは何でしょう?

答えは「押し方を間違えると、椅子が前方に傾いて危険」です。
上の図のような、介護ヘルパーが椅子の下を持って押せば、スムーズに椅子は前に移動します。
しかし、椅子の上(下の図の赤丸付近)を持って押してしまうと、椅子はバランスを崩して前方に傾いてしまいます。


これって、結構頻繁に起こる事故で、私もヒヤリとしたことがあります。
基本的には介護ヘルパーの気の緩みから発生するミスなのですが、それだけでなく、椅子の脚が何らかの原因で滑りにくくなっている場合なども、この事故が起こり得ます。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
そこで、下の図のように、椅子が前後に傾くことを防止するストッパーが必要になってきます。
脚の先端に台形状のストッパーを被せれば、椅子が前後に傾くことを防止できます。


・バリアフリー目線(高齢者や障害者の目線)で商品を見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・バリアフリー目線で商品やサービスを見直せば、無限にアイデアが湧いてくる。
・超高齢化社会。我が国の高齢者は人口の20%を超え、アメリカや中国など世界中で高齢者が進んでいる。バリアフリー商品への需要は極めて旺盛。
・高齢者は、我が国の金融資産の70%を保有する富裕者層であり、購入資金を潤沢に保有している優良顧客である。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
高齢者施設やデイサービスが最も恐れているのは、高齢者に怪我をさせることです。怪我は高齢者施設の責任問題であり、何より怪我をさせられた高齢者が可愛そうです。
このようなストッパーを開発すれば高齢者家族や高齢者施設にきっと喜ばれます。
「超」高齢化社会。高齢者は増える一方であり、我が国だけでなくアメリカや中国など世界中で高齢化は進みます。
「高齢者の怪我を防止する椅子用ストッパー」とアピールすれば、他社との差別化を図ることができ、ブルーオーシャン市場を開拓することができます。

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。
当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
興味のある方は本ブログの下欄にある「問い合わせ」からお問い合わせください。
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