バリアフリー特許の世界 〜着替え補助具編〜
今回は「着替え補助具」に関する発明の紹介です。
特許第6268654号
【発明の名称】衣服着用補助具
高齢者デイサービスには様々な高齢者が通ってきます。
その中には、暑がりの人もいれば、寒がりの人もいて…
「寒いから暖房つけて」という人もいれば、
「暑いから暖房消して」という人もいて…
介護ヘルパーは室温調整に苦労します。
集団ですから、寒がりの人のためだけに暖房を強くすることができません。そこで、寒がりの人は服を何枚も重ね着します。
そんな重ね着派の人を悩ませるのが袖の「めくれ上がり」です。
肌着の上から上着を着る際、上着の袖を通すと肌着の袖がめくり上がってしまい、上着の下に入ってしまった「肌着の袖」を引き出すのに苦労します。重ね着ですから、この苦労を何回も味わい閉口します。
そこで、今回の発明は、肌着の袖がめくり上がらないようにする器具です。
発明の概要
・ボールペンのキャップを大きくしたような器具である。
・その大きなキャップを人の手先に嵌め、人の手と肌着の袖をキャップで覆う。
・その状態で上着を着れば、袖はキャップ内に収まっているので、めくれ上がることがない。
なーるほど。
私も、高齢者の入浴介助の際に、着脱介助をしますが、確かに「袖まくり」には結構苦労させられます。
まさに必要から生まれたアイデアですね!
ただ、この特許発明、請求項1に「ひも」が構成要件として記載されています。なぜ「ひも」が必須要件なのでしょうか?特許明細書には「ひも」の必要性が記載されていません。
まぁ、この点に関しては様々な事情があるのかもしれないので、なんとも言えませんが、権利範囲が不必要に狭くなり、少々勿体ない気がします。
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