【バリアフリーホスピタリティ 〜湯呑み編〜】
記事の概要
・湯呑みをバリアフリー目線で見直せば、意外な欠点が浮かび上がり、そこから高齢化時代にふさわしい「おもてなし術」が生まれる。
・その欠点とは? そのおもてなし術とは?
・高齢化社会にふさわしい「おもてなし術」について考察します。
大切なお客様が来社。少しご高齢の方です。
厳選した茶葉でお茶を入れ、完璧な笑顔とマナーでお茶をお出しした。
しかし、お客様はお茶を飲まずに帰ってしまった!
何故でしょう?
ただ単に、喉が渇いていなかっただけなのかもしれません。
でも、もしかしたら【湯呑み】が原因かもしれません。
高齢者や障害者は湯呑みが苦手。重いし熱い。
指を十分に広げられず持ちにくい。
それが原因でお茶に手をつけなかったのかもしれません。
これから本格化する「超」高齢化社会。
心身に何らかの障害を抱える人が来社する機会も急増します。
湯呑みの選択ひとつで、せっかくの高級茶葉やマナーも台無し。大切なお客様に嫌な思いをさせては勿体ないです。
バリアフリーホスピタリティ
こんなときに備えて、お洒落なマグカップを用意しておきましょう。
「取っ手の付いた湯呑みにしましょうか?」
高齢のお客様には、そんな風に声をかければ喜んで頂けます。
お客様に何かをお出しする時に「これは持ちやすいか?」と考えることが、これからの接遇には必要になってきます。
バリアフリーで「おもてなし」。本格化する超高齢化社会において必要なスキルです。
バリアフリー目線の商品開発ヒント
洋風のマグカップに日本茶を入れる。ミスマッチですよね。でも、和風のお洒落なマグカップって今のところ種類が少ないです。
巨大な市場規模を有するシニアマーケットにおいて、殆ど供給ゼロに近い商品です。
「超」高齢化社会では、和風のお洒落なマグカップが必要とされています。
更には、色々な物に「取っ手をつける」という配慮が必要になります。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
湯呑みという商品は巷に溢れ、他社製品と差別化するのは困難です。
しかし、上記のとおり「和風柄の湯呑み」は、まだ数が少ないです。なので、和風柄のラインナップを揃えて提供すれば、多くの高齢者に喜ばれ支持されます。まさにブルーオーシャン市場です。
介護の現場で
高齢者が多く集まる高齢者デイサービスでもマグカップは人気。
「湯呑みは持ちづらい。マグカップにして。」そう希望する高齢者は多いです。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
私は、特に障害はなく、健康で手のチカラも人並みにあります。
でも実は、私も湯呑みが苦手です。その理由は高齢者と同じ。熱いし、重いし、持ちにくいからです。取っ手の付いた湯呑みでお茶を出してもらえると、やっぱりラクです。
健常者であっても「湯呑みは持ちづらいなぁ。飲みづらいなぁ。」とストレスを感じている人は多いです。
バリアフリーは健常者の暮らしもラクにするのです。
バリアフリー目線の大切さ
手にチカラが入らない高齢者や障害者は湯呑みが苦手。
少し想像力を働かせれば分かることです。でも、実はそれが難しい。
「お茶を出す時は湯呑みを使う」という【固定観念の罠】があるから。
高齢者や障害者の独自の視点は、固定観念の罠を打ち破る意外なことを教えてくれます。それが新しい商品・サービス開発のヒントになるのです。
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