車椅子でも困らない冷蔵庫のアイデア

商品開発

【バリアフリー商品開発支援 〜冷蔵庫編〜】

記事の概要

普段何気なく使っている冷蔵庫をバリアフリー目線で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。

・その欠点とは? そのアイデアとは?

・超高齢化社会において必要となる冷蔵庫のアイデアについて考察します。

今回のテーマは「冷蔵庫」です。

どこにでもある冷蔵庫。

でも、この普通の冷蔵庫をバリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。さて、その困り事とは何でしょうか?

答えは車椅子ユーザーは上部の物に手が届かないです。

言われてみれば当然ですが、言われないと気づきません。

これがバリアフリー目線の凄いところです。

これから「超」高齢化社会を迎え、車椅子ユーザーは急増することが予想されます。冷蔵庫もそれに合わせて変化させなければなりません。

バリアフリー目線による商品開発ヒント

そこで、横長冷蔵庫という着眼点が生まれます。

これなら車椅子に乗っていても手が届きます。

バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略

冷蔵庫は海外勢の進出もあり、価格は安くなり価格競争に陥っています。

でも、車椅子用冷蔵庫 〜横長なので車椅子でもカンタンに取出せます〜などとアピールすれば、簡単に他社製品と差別化でき、価格競争から抜け出すことができます。

しかも、バリアフリーを必要とする高齢者は増加する一方。日本のみならずアメリカや中国などでも、これから本格的な超高齢化が進みます。まさにブルーオーシャン市場です。

Point バリアフリー市場は巨大市場

・超高齢化社会。我が国の高齢者は人口の20%を超え、アメリカや中国など世界中で高齢者が進んでいる。バリアフリー商品への需要は極めて旺盛。

・高齢者は、我が国の金融資産の70%を保有する富裕者層であり、購入資金を潤沢に保有している優良顧客である。

バリアフリーホスピタリティ

車椅子ユーザーがコンビニやスーパーマーケットで買い物する機会も増加します。入り口にスロープを設置するだけでなく、車椅子ユーザーを見かけたら、こうお声がけしましょう。

「取れないものがありましたらお声がけください。お取りします。」

バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)

冷蔵庫が横長になれば、小さな子供も助かります。バリアフリーはすべての人を幸せにするのです。

バリアフリー目線の大切さ

冷蔵庫は縦長。これが【固定観念の罠】です。

車椅子ユーザーからこの話を聞くまで私もその罠にハマっていました。バリアフリー目線は固定観念を打ち破るパワーがあります。そして、それが新商品開発のヒントになるのです。

Point バリアフリー目線はアイデアの宝庫

・バリアフリー目線(高齢者や障害者の目線)で商品を見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。

・バリアフリー目線で商品やサービスを見直せば、無限にアイデアが湧いてくる。

バリアフリー教育の現場から

東京都教育委員会が「東京オリンピック・パラリンピック教育支援プログラム」というものを実施しています。都内の小学生にバリアフリー等に関する授業を行うプログラムで、私も数年前から参加しています。

私は授業でこの冷蔵庫のアイデアを紹介して、車椅子ユーザーを見かけたら「取れない物があったらお手伝いしますよ」と声をかけて欲しいと子供たちに呼びかけています。皆、素直に頷いてくれます。

ご提案

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。

当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
興味のある方は本ブログの下欄にある「問い合わせ」からお問い合わせください。

コメント

  1. 三船和枝 より:

    視点を変えてみる事
    ハンディのある人の立場に立って考える事は確かに重要だと思います
    でもまだまだリサーチが足りませんね
    高い箇所の物が取れないから横長の冷蔵庫?住宅事情を考えたら難しいのが現実です
    そして肝心なこと教えましょう
    「車椅子の姿勢では高い物だけでなく、下の物を取るのも難しい」という事。
    床に落ちた紙1枚がどうしても取れず情けない想いする事はしょっ中です
    冷蔵庫下段の野菜室や冷凍庫に「底を引き上げる工夫」とかを考えて欲しいです。

    • hongo より:

      三船さま

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り、冷蔵庫の下部にも不便がありますね。
      コメントを拝見して、「電源コンセントの位置が低すぎて、抜き差しが難しい」という話を思い出しました。
      皆様が感じている不便さを、多くの企業に知ってもらいえるよう、情報発信を続けてまいります。
      今後とも色々な不便をお聞かせ頂ければ幸甚です。

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