【一歩足りないバリアフリー 〜小便器編〜】
今回のテーマは「小便器」です。
下の写真は、あるビルのトイレに設置されているバリアフリー小便器です。
小便器の周囲に「手摺り」があり、ここに掴まったり寄りかかれば、足腰が衰えた高齢者や、足に障害がある人も立ったまま用を足すことができます。
しかし、このバリアフリー小便器。よくみると「一歩足りないバリアフリー」なのです。
さて、どこが一歩足りないのでしょう?
答えは「小便器の手前に段差がある。」です。
下の写真は、小便器の手前の部分をアップにしたものです。小さな段差があります。
このビルには「誰でもトイレ」があるので、重度の障害がある人はそちらを使えばよいのですが…でも障害がある人のために折角立派な手摺を設置したのに、なぜ、わざわざこんな段差を設けたのか?
非常に勿体ないと思います。
因みに、下の写真は都内にある外資系の某一流ホテルの小便器です。
ここには段差がありません。流石ですね。
高齢者介護の現場
この段差は小さな段差です。この程度であれば、足に障害があっても乗り越えられる人は沢山います。
しかし、その一方で、この小さな段差を乗り越えられない人も沢山いるのです。
足腰が衰えた高齢者の中には、足を上げることができず、相撲の「すり足」のようにして歩く人が沢山います。
例えば、高齢者の入浴介助を行っていると、脱衣所の「足ふきマット」ですら乗り越えられず、下の写真のようにマットを足で捲くりあげてしまう人がいるくらいです。
(体重計の厚みを乗り越えられない人がいることも以前ブログの記事にしたので、一読ください。)
なので、この小さな段差で躓いて(つまづいて)しまうこともあるのです。
バリアフリーアドバイス
繰り返しになりますが、折角こんな立派な手摺を設置したのに、本当に勿体ないです。
バリアフリー設備を設置する際は、是非、介護ヘルパーなど意見を幅広く取り入れるようにしてください。
当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングや、障害者モニター、介護ヘルパーのモニターの紹介を行っています。
コンサルティングやモニターが必要な方は、このブログの下欄の「お問い合わせ」からご連絡下さい。
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