【バリアフリーホスピタリティ 〜パスタ編〜】
記事の概要
・パスタを高齢者目線(バリアフリー目線)で見直すと、意外な欠点が浮かび上がり、そこから新しいアイデアが生まれる。
・その欠点とは? そのアイデアとは?
・超高齢化社会において必要な「おもてなし術」について考察します。
写真のパスタ、おいそうですね。イタリア料理は老若男女に人気です。
でもこの写真のパスタ、バリアフリー目線で見ると、1つ困り事があります。
高齢者や障害者にとって食べにくいのです。さて、なぜ食べにくいのでしょう?
答えは「パスタが絡むと重たくて持てない」です。
障害者や高齢者の中には、手にチカラが入らない人が沢山います。パスタが絡み合うと実は結構な重さになり、食べることができないのです。健常者にとっては大した重さではないのですが、手が不自由な方にとっては重たく感じる。だから食べにくい。
パスタを提供する側からしても、せっかく心を込めて調理したパスタをお客様に食べてもらえないのは悲しいですよね。
バリアフリーホスピタリティ
そこで、手が不自由な方には、パスタを小分けにしてお出ししましょう。
こんな感じ↓
これだとパスタが過剰に絡み合うとことがなくなり、食べやすくなります。
「小分けにしてお出ししましょうか?」
そんな風に声をかければ喜んでい頂けます。バリアフリーで「おもてなし」ができます。
パスタが好きな高齢者は本当に多くいます。イタリア料理店もシニアマーケットの例外ではありません。
「小さく、一口で」…高齢者ビジネスにおいて必要になる着眼点です。
なお、同趣旨のブログ記事【バリアフリーホスピタリティ 〜おはぎ・お寿司編〜】もご参照ください。
バリアフリー目線による商品開発ヒント
このサービスをSNSで発信したところ大反響がありました。その際の「こぼれ話」なのですが、小さな子供のために、パスタを茹でる前に、パスタを予め短く折って、それから茹でるという話を聞きました。
パスタが短ければ、パスタが過剰に絡まないからです。なので、飲食店では予め折った短いパスタを提供するもの良いです。更に、【高齢者・障害者・幼児のためのショートパスタ】と用途を明示して、最初から短いパスタも販売する。食品メーカーの方にお薦めの新商品です。
バリアフリー目線によるブルーオーシャン戦略
パスタは巷に溢れ、他社との差別化が難しくなっています。
でも、上記のとおり「誰にも食べやすいショートパスタ」などとアピールすれば、簡単に差別化できます。
高齢者ビジネスの市場規模は大きく、これからアメリカや中国でも高齢化が進み、需要は増加する一方です。まさにブルーオーシャン市場です。
バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)
この小分けパスタ。実は健常者にも喜ばれます。
サラリーマンやOLさんがランチでパスタを食べたらワイシャツやスーツにパスタソースが飛び散って大変!なんてことが日常茶飯事なのですが、この小分けパスタなら大丈夫。小さなお子さんにも食べやすい。正にユニバーサルデザインアイデアなのです。
バリアフリー目線の大切さ
手にチカラが入らない高齢者や障害者はパスタが苦手。
これはちょっと想像ができませんでした。
高齢者や障害者の独自の視点は意外なことを教えてくれ、新しい商品やサービスのヒントを与えてくれます。
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