【おもてなしの心】〜高齢者への「声かけ」で注意すること〜

ホスピタリティー

【バリアフリーホスピタリティ 〜声かけ編〜】

記事の概要

・「少々お待ちください」…この声掛けを高齢者や障害者が持つバリアフリー目線で見直すと、意外な注意点が浮かび上がる。

・その注意点とは?

・高齢化社会においては、そのような点に配慮した「おもてなし術」が必要になる。

今回は話し方、特に企業の受付や接客についてです。

例えば、こんなケースがよくあります。

訪問先の会社に着いて受付を済ませ、受付の方が打ち合わせ相手の担当者を電話で呼び出す。ところが、担当者の方で何らかのトラブルがあったらしい。

取り敢えず、受付の方が会議室に案内してくれ、こう言って会議室を出ていった。

「現在、担当の山田が臨時の対応をしております。お待たせして申し訳ありませんが、間もなく参りますので少々お待ちください。」

トラブルでは仕方ありません。お互い様なので、おとなしく待ちます。

でも、この受付の人の言葉には問題があります。この言葉をバリアフリー目線で検討すると、1つ困り事があるのです。さて、その困り事とは何でしょうか?

答えは少々とはどれくらいなのか分からないです。

発達障害を持つ人や、不安を感じやすい高齢者は「曖昧な言葉」が苦手。

「少々」とは3分くらいなのか?

それとも10分くらいなのか?

それとも1時間くらいなのか?

それがハッキリしないとストレスが溜まり、これがきっかけとなってパニックを起こしてしまう場合があります。では、どうすればいいでしょうか?

バリアフリーおもてなし術

具体的に話しましょう。

この場合であれば「3分くらいで参りますのでお待ち下さい」など目安となる時間を明示してあげるのです。

日本社会は曖昧な言葉で溢れています。

・「コチラでお待ち下さい」の「コチラ」とはどこなのか分からない。

・お子さんがゲームで遊び始めた時に「今はダメ」と言いながら、いつになったOKなのかを明示しない。

・「このベンチでの飲食はご遠慮ください」と言いながら、どこでなら飲食OKなのかを明示しない。

などたくさんあります。

「具体的に」…シニアマーケット・高齢者ビジネス で必要な着眼点です

point バリアフリー市場は巨大市場

・超高齢化社会。我が国の高齢者は人口の20%を超える。バリアフリーを意識した「おもてなし術」への需要は極めて大きい。

・高齢者は、我が国の金融資産の70%を保有する富裕者層であり、購入資金を潤沢に保有している優良顧客である。

障害児療育の現場から

ある日の夕方。お母さんがお風呂にスイッチを入れ、その後「そろそろお風呂が湧いた頃だろう」と思い、発達障害の我が子に「お風呂を見てきて」と言った。…その子は本当にただお風呂を見て帰ってきた。お母さんは、風呂を見てほしかったのではなく、お湯の温度を確認して欲しかったのに…

これも言葉や指示が曖昧だったことから起きたことで、そのお母さんは指示を具体的にしないとダメだ、と反省したそうです。

バリアフリーはすべての人を幸せにする(ユニバーサルデザイン)

実は私も「少々お待ちください」など、曖昧に指示されるとちょっと「イラッ」とします。

ただ、私の場合はそこで何となく我慢してしまいますが、障害者の場合は明確な拒否反応をしてくれます。

なので「この言葉は曖昧でわかりにくい言葉だった。具体的な言葉にしよう。」と社会が改善されます。

障害者の独自の視点は「その言葉は曖昧でダメなんだ」と気づかせてくれ、それにより「誰もがストレスを感じない具体的な言葉」を皆が選ぶようになります。バリアフリーはすべての人を幸せにするのです。

ご提案

貴社の商品やサービスを、バリアフリー目線で見直してみませんか?
きっと高齢化社会で喜ばれる沢山のアイデアが生まれることでしょう。

当協会では、バリアフリーに関するコンサルティングを行っています。
興味のある方は本ブログの下欄にある「問い合わせ」からお問い合わせください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました